メディアとジェンダー＠佐倉ジェンダー研究所


＃025 女の子アニメと男の子アニメ、ここが違う！
There are such differences in the Kids TV programs between for girls and for boys.

(2012/06/17)


一般的な社会通念においては、男女の性差はアプリオリに存在するものと考えられている。

それを受けて、例えばアニメーションなどの子ども向けテレビ番組もまた、
そんな女の子と男の子の差異に即したものが作られることになる。
そしてそれゆえに、女の子向けのアニメと男の子向けのアニメでは、
その内容がずいぶんと様相を異にするものになるのだということは、
やはり世間においては広く信じられていると言えるだろう。
では両者の間には、はたして実際にどのような大きな違いがあるのだろうか？

ここで、2012年の春から（ともに日曜朝・テレビ朝日系列で）放映されている
『スマイルプリキュア』と『聖闘士星矢Ω』の、それぞれ第１話を比較してみよう。
（前者が女の子向けとされ、後者が男の子向けを企図して制作されているもの）

以下画像は、左側が『スマイルプリキュア』、右側が『聖闘士星矢Ω』である。

※なお画像は学術研究の目的をもって放送画面から引用したもので、
これについての著作権は東映アニメーション等にあります。

参考：番組公式サイト（東映アニメーション）
→『スマイルプリキュア』
→『聖闘士星矢Ω』







主人公たちが平和に暮らしているところへ、突如敵が襲来





「なんてひどいことをっ…！」





そんな主人公に敵は「貴様も死ね〜！」





「オマエなんかに絶対に負けるか〜っ！」





そんな主人公の心意気に何か不思議な力が応えます





……何か出てきました(^o^;)





変身開始！（ここでは腕パーツ装着中）





変身完了！





「くらえ、必殺技〜〜〜〜っ！」





ババーーーーンッ！






……………………。


あれっ!?



同じですね(^o^;)



というわけで、
女の子アニメと男の子アニメ、
両者の間には確固とした違いが存在するという信念を持つ人が
考えるほどには、じつは本質的な差異はない。

それを踏まえたうえで強いて言えば、
例えばプリキュアのほうが、変身後のコスチュームもフリルやリボンが付いているとか、
色使いがピンク色だとか、いわば社会にて「女の子らしい」
とされている要素が強調されているというような指摘は可能かもしれないが、
それらもしょせん、既存の性別秩序が先にあるがために、
それに合わせて後付けされたディティールの差にすぎない。

本来は本質的な差異はなく、
それぞれの細部のディティールの違いによってのみ
個々人の間で好みが分かれればよいだけの事柄に対して、
こちらは女の子向け、男の子向けはこっちと、外的要因が水路付けすることは、
各人のありのままの個性を否定するものであり、
多様性に対する冒涜なのではないだろうか。



　




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記事「新世代の聖闘士星矢はじまる！」などもあわせてお読みください





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