その昔、とある汚職事件があったとき、事件の黒幕はすでに逮捕されていたのですが、捜査の結果、その黒幕の子分も何人か、逮捕されることになったのです。

それを伝えた新聞の見出しが「◯◯局長らも逮捕」。

そしてそれを見た読者が、当時朝日新聞に連載されていた『中島らもの明るい悩み相談室』に投稿しました。

「大変です。新聞を見てたら“らも逮捕”と書いてありました。らもさん、いつ逮捕されたんですか？　このコーナーはどうなるんですか!?」

もちろんこれは、すべてわかった上でのジョークです。『明るい悩み相談室』というのが、そもそも悩みとも言えないような命題に対して、中島らもさんがユーモアたっぷりにコメントするという趣旨のなかなかお茶目なコーナーだったのです。このときもらもさんは、おもしろ楽しく応じておられました。

それから時代は流れまくって2003年。

私がふと目にした新聞の見出しに「中島らも逮捕」。

おいおい、本当に逮捕されてどーする!?

ディズニー映画『アトランティス』が、それなりに話題になってますが、見に行こうかなーと思いつつ、結局行けずに、後でビデオで見るというパターンに、いつものようになっています。

テレビで流されていたハイライトシーンを見るかぎりでは、巨大潜水艦やロボットといったメカが登場し、こりゃーどう考えても、日本製アニメのテイストがてんこもりという印象ですね。まぁ、日本のアニメも、天下のディズニーが参考にするくらいにまで成長したということなのでしょう。

特に連想せざるを得ないのは、かつて（1990年）ＮＨＫで放映されていた『ふしぎの海のナディア』。なんといってもディズニーには「『ライオンキング』、これって『ジャングル大帝』のパクリじゃないの!?　疑惑」という前科があります。『アトランティス』も、もしや『ナディア』の………

「……と思っていたら、実態は宮崎駿アニメの影響が、色濃く感じられた」というのは、よく見かける映画評だったりします。なるほど『天空の城ラピュタ』のラピュタがアトランティスに置き替わったという次第でしょうか。

しかし、よく考えると『ナディア』というのが、そもそも『ラピュタ』をはじめ、それまでの日本のアニメの影響を強く反映していた、あるいは確信犯的にパロディ化していた作品であるのも、知る人ぞ知る事実です。

『ナディア』の“ブルーウォター”と『ラピュタ』の“飛行石”。これは設定的にも、ビジュアル的にも、そっくりです。でもって『アトランティス』の予告編でも、それに酷似したシーンが見られます。

「主人公の少女が首からかけているペンダントの石が、じつは秘密の力を持っていて…」