佐倉ジェンダー研究所／
ジェンダーをめぐる関西2003-08
【「フタが取れて洗えます！」←「じゃぁ洗わなアカンなるやん!!」】炊飯器にはフタが本体に固定されているものと、取はずしが可能なタイプがあります。後者はおおむねキレイ好きできちょうめんな人の要望に応えて作られたのでしょうか。おそらくメーカー側は便利ですばらしい機能だと思っているのでしょう。
私もどちらかというと「キレイ好きできちょうめん」なほうなので、炊飯器のフタが取れるのなら、取って洗わずにはいられないかもしれません。しかし、だからこそ、私は炊飯器はフタの取れないタイプのほうを買いたいです。だって取れないんなら取って洗えないんだから洗わなくても済むではありませんか!! できなければ、しなくてもよいのに、できるがために、しなくてはならなくなるなんて、面倒だとは思いませんか!? なお表題はフタが取れるタイプの炊飯器のＣＭコピーと、それを見たときに私がしたツッコミです。
他にも新幹線のない時代には東京出張といえば泊まってくるのが当たり前だったのに、今日では日帰りがフツーです。日帰りできないのなら、しなくてもよかったのに、できるようになったので、しなくてはならなくなった、これも典型例でしょう。
ハイ。
いったい私が延々と何のネタふりをしているのか、勘のよい方はそろそろお気づきかもしれませんが、そうなんです。できてしまったんですよ。一定の条件を満たした人は戸籍の性別を変えることができるという法律が！※
まぁ今まで性別は絶対に途中で変わらないもの、みたいに固定的にとらえられていたのが、もっと可変的なものだったんや〜と、一般に認識が広まるのはいいことだし、この法律で実際に恩恵を受ける人も少なからずいるわけなので、一概に悪いこととは言えないかもしれませんが、私としては懸念もあります。
つまり戸籍の性別を変えることができるようになったのだから、変えるのが正しい→変えなければならない、といったヘンな風潮が出来上がるのはコワイなと。あるいは戸籍の性別変更が認められる条件に合う人こそが真のトランスジェンダーであって、それ以外は邪道だとかね。
できなかったことができるようになるのにともない、それをするのが正しいこととなり、それをしないという自由が脅かされるというのであれば、やはりそれは問題ではないでしょうか。まちがっても、戸籍変更の条件に合う人が、そうでない人よりもエライなんていう、困ったヒエラルヒーが広まらないようにしてほしいものです。
ちなみに私はすべての条件に当てはまっていません!! 医師の診断は面倒なので受けていないし、性別適合手術もぜんぜんだし、結婚してるし、子供もいるゾ！ 自慢じゃないですが、私はもはや社会生活はほぼすべて女性です。現実としてそれで何も差し支えはないし、本人もそのほうがシアワセを感じています。なのにそんなケースでも対象外にしてしまう、これらの条件っていったい!?
あっ「
20歳以上」だけは当てはまってた……(^o^;)
※「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」
望みの性別で生活しているトランスジェンダーでも、公的書類などの性別は元のままで、プライバシーをむやみに他人に知られてしまう機会が少なくなかった状態を解消するために、いわゆる戸籍の性別変更を望む声が高まったのを受けて、それを制度化する法律が、なぜかビックリするほどスピード成立（2003年７月／施行は１年後）した。
ただし性別変更が認められるためには、医師によって「性同一性障害」と診断されている、20歳以上、現時点で結婚していない、子どもがいない、性別適合手術済み、などの各種条件を満たしていなければならず、それに当てはまる人はトランスジェンダーのうちのごく一部ではないのか、などの批判がある。
◎この法律に関しての小論は↓こちらで↓
http://homepage3.nifty.com/tomorine3908/sun-tower/003.law.htm
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