曰く、「…顔射されているシーンが大好きです。２〜３人の男に１人の女の子が犯されているシーンなんかでも抜いてみたいので、そういうのもお願いします。（19才・浪人生）」

オヒオヒ、浪人生って…。オナニーしてないで勉強しろよー(^○^)。でも19才じゃしかたないかぁ。

つまり、男性として自分もできればやってみたいことを、エッチなメディアに描かれた虚構を通じて疑似体験するわけだ。

心理学で言う「代償」というやつである。

そのためには、この浪人生が言うように、感情移入の対象である男性は、たくさん登場するほうが都合がよいのかもしれない。

以前にも書いたが、私などは、こういう場合、犯されている女の子のほうに感情移入する。

レイプシーンの是非はともあれ、それを見た時、犯されている女の子の悔しさや恥ずかしさに思いを致すことが、めぐりめぐって自分の性的興奮につながるわけだ。

いろいろ調べてみると、じつはこの方法で、男性用ポルノを楽しんでいる一般女性も、どうも多いようである。

ところがそう考えていくと、『クリーム』の場合、そんな私も逆に、登場するモデルの女の子の外側に自分を置いていることに、あらためて気付く。

それはつまり、『クリーム』だと男性が登場しないので、グラビアの女の子と自分だけの世界を、想像の中で作れる。したがって、自分も女性として、その女の子と対峙できるからだと言っていいだろう。

さらにこれを掘り下げれば、上述したような「レイプ物」においても、そういう見方をしている側面がある。

男たちに犯された女の子を後で精神的に受け止め、慰めたりする役回りに、自分を置くことで、やはり女性どうしの関係を想像の中で構築するのである。

いずれにせよ、男性の姿の登場は、ポルノとして楽しむ上では邪魔なことには変わりない。

これは、やはりレズビアン的なポルノの利用法なのだろうか？？

ところで昔は、いわゆる「レズ物」は嫌いだった。

パッケージからはそうとわからずに借りてきたビデオが「レズ物」だったりすると、ただでさえかモテない男は“こうして”オナニーするしかないのに、女どうしでくっつかれてしまったら、ますます男が余るじゃん！　と思え、なんだか損した気になって、抜けなかったのである。

しかし、いざ自分が女性になってしまうと、女どうしサイコーっ!!　と思えるように変わるのも、自然ななりゆきである。

むろん、男性向けに作られた「レズ物」が、本物のレズビアン女性のお眼鏡に適うものになっているかというと、必ずしもそうではないようだ。

しかし、レズビアンそのものに対して、今の私は「いいなぁー」と思うことが多い。インターネット上のビアン系サイトなどをいろいろ見ても、非常に共感できる。

いちおう身体がオトコなので遠慮しているが、少なくとも（自分の）気分はすっかりレズビアンなのである。

そういえば性感の中心も、変わってきたように思える。

以前は、ペニスに性感の重点があったのだが、最近はワギナのほうへとシフトしてきているようなのだ。

実際にはないはずのワギナが疼き、濡れてくるような知覚…。

ずっと男だったら、気付くことのなかった感覚かもしれない。

かつては、「性転換手術はしないの？」と問われれば、女性が好きなのでバットとボールを持っていたほうが都合がよい、とか答えていたものだが、最近はそんなわけでちょっとちがう。

「女性どうしのセックス」をするためには、バットとボールはやはりジャマなのだ。

身も心もレズビアンになりたい。

現実には難しいし、別の思いもまたあるのだが、そんなふうにも思う昨今なのであった。