大阪府知事だった横山ノック氏が、選挙運動中のワイセツ行為問題で辞職に追い込まれ、裁判にもかけられた話は、みんな知ってるかな。

ようするにノック氏が、選挙運動を手伝っていたボランティアの女子大生に対し、移動中のクルマの中で、身体を触るなどのイヤラシイ行為をしたと言われてたんだけど、裁判で明らかになった事実は、思った以上の内容で、怒りを新たにせずにはいられないんだ。

この事件は、はじめは「セクハラ」という表現で報道され、後に「ワイセツ行為」と変わったけれど、こうして見ると、これはそんなもんじゃ収まらないんじゃないかな。

こういうのは、まぎれもなく、女性への暴力だよ。

ノック氏の「行為」は数十分もの間続いたらしいけれど、その間の女子大生の気持ちを思うと胸が痛いよ。

きっととても恐くて、悔しくて、気持ち悪かっただろうね。

大声をあげればよかったのにとか、もっと抵抗すればよかったのにとか言う人もいるけど、それはワカッテナイよ。こういうとき、そんなカンタンに声を出したりできるもんじゃないんだ。

そうして、被害者の心には、とてもとても大きな傷が残るんだ。

ウソだと思う男性の皆さんは、一度キレイに女装して、ちょっとガラの悪いところをしばらく歩いてみるとイイよ。日ごろ女性がどんな気持ちでいるか体験できるから。

でも、やっぱ無理かな。

そこまでして、女性の気持ちを理解しようという男性が、今はまだ少なすぎるヨ。

そうして、そこでは、女性はお茶くみなどの身の回りの世話係か、でなければ、性の対象としか見られない。

つまり、同じ人間ではないことになっているんだ。

そうであれば、ノック氏のように、相手の人格を無視した行為もできるわけだし、女性との人間関係を、もっぱらセックスだけを中心に考えることだってできちゃうんだろうね。

現に、ノック氏と同じかそれ以上のことをしながら、辞職も裁判にかけられたりもしていない人は、世の中のあっちこっちにいるんじゃない？

とある大学のラグビー部員数人が、部室に連れ込んだ女性を、かわるがわる強姦した事件なんてのも、何年か前にあったしね。

それだけ、男の中の論理では“これくらいフツー”なのかもしれない。

だから、そういう「構造」からの脱出が、必要なんだ。

女性と男性が、もっと対等に、社会のいろいろな場面に参画していけるように、世の中のしくみを考え直していかないといけないよね。

小さい子どもの頃から、女の子・男の子と分けずに、ごく自然に仲よくするようすることも大事だろうね。

男女がお互いのことを、もっとよく理解しあうことって、今までは、ものすごく足りなかったんじゃないかな。

それにお互いに「男らしさ」とか「女らしさ」の概念に、縛られすぎてるしね。

そういうのをいろいろ克服していくことが、まずは、お互いを認め合う第一歩になると思うよ。

そうして、性別に関わりなく、誰もが同じように社会を構成するメンバーになっていけば、男女が本当に平等になれるんじゃないかな。